1㎡、3㎡、15㎡で何ができる?
敷地内に余っているスペースや、ブロック塀や木々を取り除いてできたデッドスペース。このような「ちょっとしたスペース」を上手に活用して収入を増やしたいというのは多くの賃貸オーナーの願いです。活用のアイデアを考えてみましょう。
■ 1㎡から始める無人販売
小さなスペースで収益を上げようと思ったら、まず浮かぶのが「自動販売機」です。一般的な飲料自販機なら1㎡以下でも設置できますし、最近では鍋やラーメン、スイーツなどの冷凍食品を扱う機種も登場して人気です。他にも、履歴書などに必要な「自動証明写真機」も、1〜2㎡あれば設置できます。また、子どもから大人まで楽しめるカプセルトイ「ガチャポン」も選択肢の一つです。 ただし、こうした無人販売は稼働するための電気代や商品の補充や清掃をするメンテナンス代、機器のレンタル代などを土地所有者が負担する契約が一般的であり、十分な人通りや売上が見込めない立地では赤字経営や、そもそも機器を設置できない場合もあります。都市部や駅近、学校や公園が近くにあるなど、立地とニーズの見極めが重要です。
・自動販売機
•証明写真機
・野菜などの直売所
・広告看板
・宅配ボックス新設など
■3㎡から始める軒先貸し
3㎡(約1坪)になると、活用の選択肢が増えてきます。人が常駐するには難しいですが、短時間の滞在や出入りには問題のない広さです。自転車なら数台置けるため、収益化するならコイン駐輪場やレンタサイクルなどのポートとして業者に貸し出すという方法もあります。屋台くらいのサイズであれば軒先出店も可能です。 こちらもやはり、重要となるのは立地の良さや通行量の多さです。しかし、レンタル収納シェアサービスなど、立地を問わない活用方法もこの広さなら検討できます。また、外部に顧客を求めず、入居者向けに貸し収納や家庭菜園スペースを作ったり、駐輪場を新設したりするのも選択肢の一つです。
・駐輪場新設
・コイン駐輪場の運営
・レンタサイクルや電動キックボードレンタルの事業者に土地貸し
・レンタル農地
・貸し倉庫(入居者用物置/シェア物置)
•軒先出店(小規模)など
■15㎡あれば車の出入りもできる 15㎡ (約4坪)ともなれば、普通自動車が問題なく駐車できる広さです。駐車場区画やバイク駐輪場を新設して利用を募るほか、大型公園や野球場・競技場、レジャー施設などが近いのであれば、駐車区画を1区画から時間貸しできる「シェアパーキング」で運用する手もあります。また、車を用意して個人間カーシェアに挑戦したり、カーシェア業者に土地貸しするという方法もあります。 軒先出店であればキッチンカーの誘致も検討可能です。ただし、キッチンカー出店には「食品営業自動車」の営業許可と食品衛生責任者の資格が必要となるため、場所貸しをする際は必ず許可証などを確認しましょう。
・駐車場や駐輪場の新設
・シェアパーキング運用
・カーシェア(独自運用/業者へ土地貸し)
・軒先出店(キッチンカー)など
■収益化のコツは“顧客ありき”の提供戦略
狭小スペースの活用にあたり、大切なのはマーケットインの考え方です。ここまで面積ごとにアイデアをまとめましたが、「これだけのスペースしかないからこれをやる」と、“スペースの広さ”からサービスを考えると、どうしても「やってみたけど誰も使わなかった」という結果になりやすいです。 「入居者は何を求めているか?」「地域の人は何を求めているか?」「遠方からの来訪者は何を求めているか?」まず調べるべきは市場のニーズの種類と規模です。土地そのものではなくマーケットに目を向け、「人々に強く求められているものを最小限のスペースで提供する」ことこそ、空きスペースを効率よく活用するコツと心得ましょう。